TS4312のヴラディスラヴ・シュチェバノヴィッチ展を見る

 東京四谷三丁目のTS4312でヴラディスラヴ・シュチェバノヴィッチ展が開かれている(6月26日まで)。シュチェバノヴィッチ(愛称ワーニャ)は、1971年セルビアモンテネグロに生まれる。1994年チェトニェの美術学部を卒業し、2009年ベオグラード芸術大学学際的博士課程にて博士号を取得。現在ベオグラードの応用芸術学部でドローイングと絵画の教授。ヴェネチア・ビエンナーレにもセルビアを代表する作家として出品されている。TS4312では昨年に続いて2回目の個展となる。特に今年は日本セルビア友好140年記念事業の一環として取り上げられた。

 作家のことば、

 

娯楽と戦争の間」と名付けられた一連の絵画は、主にロシアのウクライナ侵攻と第三次世界大戦への導入にますます似ている世界的緊張の前に完成されたため、一種の予言的絵画と言えます。一方ではアプリ、ビデオゲーム人工知能が社会を形成し、子供たちを教育している一方で、他方ではそれが徐々に耐え難いアナログで物理的な現実となりつつあります。この状態は、2つの極端なものが1つのポイントに融合することに影響し、娯楽と戦争というセンセーショナルなもので私たちの時代を形成しているのです。まさに、この一連の絵画が提示しているのは、こうした問題なのです。 制作しているとき、理性的というより直感的に、絵の中のモチーフを押し付けるような不安を感じていました。Apps Store」という絵から始まり、「Patriot2」という絵で終わります。Apps Store」では、若い戦士の少年が現実から逃避するために仮想現実を見つけ、戦時中に出現した「Patriot 2」では、世界貿易センターへの攻撃、チョルノブイリ原発事故後の建物の粉々な跡、そしてウクライナ戦争の飛行機やプロパガンダをコラージュした断片を描いているのです。

Free Games

9(11)

Apps Store


 ワーニャは日本語も勉強しているとかで、「Free Games」という作品には日本語が描かれている。

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ヴラディスラヴ・シュチェバノヴィッチ展

2022年6月3日(金)―6月26日(日)

13:00-19:00(15日までは月、水木金土日オープン、17日以降は金土日のみオープン)

最終日17:00まで

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TS4312

東京都新宿区四谷三丁目12番地サワノボリビル9階

電話03-3351-8435

https://ts4312r.com/

東京メトロ丸の内線四谷三丁目駅1番出口から新宿に向って1分、セブンイレブンの隣のビル