アートスペース羅針盤の菊池玲生個展を見る

 東京京橋のアートスペース羅針盤で菊池玲生個展――「日本画」のシミュレーション――が開かれている(4月30日まで)。菊池は1993年生まれ、2014年に東京藝術大学日本画専攻に入学し、現在同大学大学院美術研究科博士課程(日本画)在籍中。今までガレリア・グラフィカで二人展を行ったり佐賀県の画廊で個展を開いてきたが、東京の画廊での個展は初めてとなる。創画会会友である。




 個展のタイトルに「日本画」のシミュレーションとあるが、これがとても面白い。日本画の中に屏風を描き込んだり、日本画ポロック風のドリッピングを合体させたり、抽象画の中に日本画を描き込んだり、手塚愛子風の横糸を抜いた作品を作ってみたりととても達者な作風を見せている。光琳の燕子花図屏風を引用して、そこに別の屏風を置いた作品もある。とにかく知的な作家というのが印象だ。とても興味深い。

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菊池玲生個展――「日本画」のシミュレーション

2022年4月25日(月)―4月30日(土)

11:00-19:00(最終日17:00まで)

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アートスペース羅針盤

東京都中央区京橋3-5-3 京栄ビル2階

電話03-3538-0160

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