山本弘の作品解説(109)(題不詳)

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 山本弘(題不詳)、油彩、F10号(45.4cm×53.0cm)

 制作年不明、サインなし、実は絵の天地も不明。木枠の下端に当るキャンバスに汚れが付いているので、その辺を下とした。制作年代もタイトルもサインも付いていないのは最晩年にときどき見られる。これもやはり同様で1978年か79年制作ではないかと思われる。だとすれば山本48歳か49歳の作品。さて何を描いているのだろう。後ろに大きな山が描かれているようにも見える。手前は畑だろうか。すると中央の青は何だろう。池にしては縦の線が不自然だ。青の右に人が二人描かれているようにも見える。あるいはまったく別で、飯田市のお練り祭りに現れる大きな獅子舞だろうか。飯田市の祭りの獅子舞はバスほどの大きさがあり、胴体の中に10人以上が入ってお囃子を演奏する屋台獅子だ。いや全然違うかもしれない。何か大きな動物だと言われても否定できないのではないか。

 何が描かれているか分からなくても魅力的な作品だと思う。たとえ天地が逆だったとしても。