東京銀座のギャラリー枝香庵で野澤義宣展が開かれている(3月25日まで)。野澤は1947年東京都生まれ。1966年寛永寺坂美術研究所に学ぶ。1974年臥牛会を結成(2006年退会)。以前は真っ黒な画面を作っていた。現在は基本的に抽象的な作品を描いているが、同時に顔シリーズなどの具象画も描いている。過去には数年おきに大きく画風を変えている。
野澤は黒い油絵具を塗り、それが生乾きのうちに鋭いペンのようなもので線を引いていく。菩薩像のようでもあり仏像のようでもある。野澤の話を聞いていると神秘的な体験を数多くしている。墓地の上空に首が浮いているのを見たことがあったと言い、それを描いた絵もあった。寒山拾得を描いていたこともある。だからこれらの絵も神秘的な対象を描いているのかもしれない。
また野澤自身からも宗教者のような超越した印象を受けることがある。たぶん見かけと違って只者ではないと私は踏んでいる。画家であることは野澤の半面ではないだろうか。
だとしたら、これらの作品は宗教画なのかもしれない。
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野澤義宣展
2022年3月14日(月)―3月25日(金)
11:30-19:00(日曜日・最終日は17:00まで)
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ギャラリー枝香庵
東京都中央区銀座3-3-12 銀座ビルディング8F
電話03-3567-8110
※資生堂横の路地を入る