東京四谷三丁目の美術愛住館で野見山暁治展が開かれている(3月27日まで)。愛住館のフルネームは「堺屋太一記念 東京藝術大学 美術愛住館」というもの。経済評論家の堺屋太一と妻の洋画家池口史子の住居兼仕事場だったところを美術館に改修し、東京藝術大学に寄贈して、野見山暁治展を開館記念展として企画した。
1階には油彩の大作が並んでいる。驚くのはこれらの作品がほとんど昨年描かれたものだった。今年描かれた作品も1点あった。野見山さんは100歳でこれらの大作を描いている。その旺盛な創造力と体力に驚いてしまう。昔105歳で逝去した小倉遊亀も100歳を超えて絵を描いているとニュースになったが、それは小品だった。100歳で大作を描き続けている画家なんか世界にもいないのじゃないだろうか。
2階にはガッシュなどの旧作が展示されている。また2階の一角には映像が流れていて、福岡のアトリエでインタビューを受けている野見山さんがぼそぼそと喋っている。20年前に亡くなった二度目の奥さん武富京子さんのことを素晴らしい女性だったと語っていた。
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野見山暁治展「100年を超えて」
2022年1月26日(水)―3月27日(日)
11:00-18:00(月曜・火曜休館)
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美術愛住館
東京都新宿区愛住町2-5
電話03-6709-8895