東武亀戸線の線路わきに赤い小型の花が咲いている。近づいて見るとマルバルコウだった。マルバルコウはヒルガオ科の帰化植物、トウモロコシ畑の雑草として問題になっているという。
マルバルコウについて、『日本帰化植物写真図鑑』(全国農村教育協会)から引く。
熱帯アメリカの原産でアジアをはじめとする各地に帰化しているつる性の一年生草本。茎は無毛でよく分岐し、他物に絡みついて数mに伸びる。(……)1950年前後に花卉として渡来したが、暖地を中心に野生化した。(後略)
私が初めてマルバルコウを見たのはもう40年近く前になる。どこかの畑で作物に絡みついていた。ただ当時まだ珍しかった気がする。15年ほど前に長野県飯田市郊外の人家があまりない畑の畔にマルバルコウを見つけて、こんなところにまではびこってきたのかと驚いた。そして今では都会の線路わきにも普通に生えているようになったらしい。
アサガオやヒルガオの仲間だから、同じような形の花を咲かせる。ただヒルガオよりさらに小型で、花色は結構鮮やかで遠目にも目につく。
同書によればトウモロコシの強害雑草で、つるに絡まれたトウモロコシは葉を展開することができず、光合成を十分行うことができないという。つるの1本は弱いが、数本合わさると大人が引っ張った程度では引きちぎれなくなるほど強くなるという。
ヒルガオ科の園芸植物としてはそろそろ咲き始める「天上の蒼:ヘブンリーブルー」がきれいだ。