東京文京区のトーキョーアーツアンドスペース本郷で「TOKAS-EMERGING 2021 Part 2」が開かれている(6月20日まで)。1階から3階のスペースでそれぞれ個展形式で3組が展示している。
1階は久木田茜の個展「シンメトリーのひずみ」、久木田は1987年愛知県生まれ、東京芸大大学院に在籍中。ちらしには「手作業によって形成されるゆがみから、人工と生命の間の表現を目指し、「シンメトリー」の存在を問いかけながら、陶や真鍮を用いた幾何学的なイメージの立体作品を展示する」とある。
2階はGengoRawというユニットの個展「コトバノキカイ」。GengoRawは、早稲田大学大学院修了のアーティスト石橋友也と東京工業大学大学院修了のエンジニア新倉健人のアート・プロジェクト。今回は、「機械の視点を通じた言語の論理とイマジネーションに関する実験/制作をテーマに、機械学習技術から着想を得た作品やAIの画像認識技術を用いた新作を含む作品群を発表」とある。
バーネット・ニューマンの作品をAIがネクタイの柄だと認識して、ネクタイの画像を提示している。そのミスが可笑しいが、データが大量に入力されればニューマンだと認識しちゃうだろう。すると、さすが凄いってことになって、面白みはなくなるだろう。
正面のスクリーンには文字が流れている。街を撮った映像をAIが文字に変換しているのだという。あまり面白くなかった。
「機械詩の部屋」というボックスがあって、inputという穴に言葉を書いた紙片を入れると、3分後にoutputという穴から詩を書いた紙が2枚出力されてくる。1枚はAIが書き、1枚は人が書いているらしい。私が「つぎはぎだらけのブタの尻尾」と書いて投入したら、次のような詩が出力されてきた。
俺は自宅のテレビをつけた
俺は図書館の本を取った
それは図書館の本を使った
それも日本の準備を借りた
お前も日本の準備を借りらしい
今日より場合はどちらが一番だろ
今日の場合は何が一番か
今日のスープは何ですか
スーパーに行きます
スーパーに行きました
味味がします
ガムの味がします
猫猫のお尻
走ります
走ります
壮年の馬の友人です
前者の方がナンセンスだから、AIが書いたのは前者じゃないかな。
3階は辻梨絵子の個展「ルリジサの茶」、辻は1991年東京都生まれ、2019年東京芸大大学院修了。「古来より食すと鋭気を保つことができると言われるハーブ、ルリジサを栽培し、映像やドローイングなどさまざまな手法で展開し、インスタレーションを構成する」とある。
この展示は私にはほとんど理解できなかった。
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「TOKAS-EMERGING 2021 Part 2」
2021年5月15日(土)―6月20日(日)
11:00-19:00、月曜日休館
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トーキョーアーツアンドスペース本郷
東京都文京区本郷2-4-16
電話03-5689-5331
http://www.tokyoartsandspace.jp/