山本弘の作品解説(101)「どんど」

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 山本弘「どんど」、油彩、F4号(24.2cm×33.3cm)

 制作年不詳。実は30年近く前買ってくれた人がいて、それ以来見る機会を失った。これも古い写真からスキャンしているが、色はかなり濃くなっているのではないか。

 「どんど」はどんど焼きのこと。正月明けに松飾りを集めて明け方暗いうちから火を点けて燃やす。多く子供たちの担当だった。この絵でも左下から炎と煙が右上に向かって上がっている。火の粉が飛んで、右下と左上に何本もの線が描かれているのはその火の粉だ。右下のネギの色はイネ科の雑草を描いている。どんど焼きの炎で暗闇から雑草が照らし出されている。

 山本はこんなしゃれた小品もたくさん描いたのだった。