木村伊兵衛『僕とライカ』(朝日文庫)を読む。70ページの写真作品と、木村のエッセイからなっている。文庫という制約もあり写真集の図版が小さく(キャプションが長いため)、細部がわからない。エッセイは「自伝から」「ライカについて」「出会いと別れ」「なにを、どう撮るか」「対談」の5つの章から構成されている。
木村は写真家だ。エッセイはとてもつまらない。エッセイの分量を大幅に削って、写真作品だけ大きく取り上げた方が木村伊兵衛についてよく分かるのではないだろうか。自分の作品について木村に語らせるのではなく、写真評論家に解説させる方が良かったのではないか。
なんだか中途半端な編集だと思った。版元の朝日新聞出版は木村伊兵衛賞の事務局でもあるので、もしかしたら立場上これを出版したのかもしれない。