東京谷中のスカイ・ザ・バスハウスで森万里子展「Central」が開かれている(10月17日まで)。森万里子は森ビル創業者の孫娘、といってももう50歳くらいになるらしい。1997年のヴェネチア・ビエンナーレに出品し、同じ年ギャラリー小柳で個展を行った。宇宙服みたいなコスチュームに身を包み、秋葉原あたりで手に水晶玉を浮かしたような動画を展示していた。2002年には東京都現代美術館で個展を開き、神社を作って展示していた。さて、今回はどんな作品を見せてくれるのか。
画廊には大きなアクリルの立体作品が展示されている。斜めから見ると厚いアクリルの板が数枚重ねられている。何か月か前にNHKテレビで見た水族館用のアクリル板を作っている日本の会社を思い出した。数十センチもの厚さのアクリル板を作る技術を持っていて、世界中の水族館から注文を受けているという。森もこのアクリル板を作っている会社に発注しているようだ。
アクリルの立体は「分光特性により特定の波長の光を分離し、色彩のスペクトルを強調して」いる。それを「現代の神性を司る光のモニュメントとして現されて」いるとしている。
森は以前からいわゆるスピリチュアルなものへの傾倒が見られたが、今回もそんなことのようだ。作品は工場へ発注したのだろうが、こんな複雑な形の設計図をどうやって描いたのだろう。それが一番気になった。
・
森万里子展「Central」
2020年9月11日(金)―10月17日(土)
12:00-18:00(日・月・祝日休廊)
※事前予約制
・
スカイ・ザ・バスハウスSCAI THE BATHHOUSE
東京都台東区谷中6-1-23 柏湯跡
電話03-3821-1144
https://www.scaithebathhouse.com/