東京北青山のかわかみ画廊で加納野乃子展「光と肌理」が開かれている(9月6日まで)。加納は1982年神奈川県生まれ、2007年に東京造形大学美術学科絵画専攻を卒業している。2012年にギャラリー檜プラスで初個展。以来今回が3回目の個展となる。
加納はケント紙に鉛筆で描いているが、鉛筆の線を全く見せない。何種類もの鉛筆を使って丹念に塗り重ねている。硬いHを使っているから重ねても黒くはならないという。白いところは紙の白さらしい。白の絵具を使わないで塗り残しで白を表している。
濃淡の差が小さいので極めて繊細で上品な作品になっている。一見抽象的な作品に見えるが、風景とかクリスタルなどを描いているという。地と図が反転したり複雑な表情を見せている。
作家の言葉
鉛筆を何層にも重ね、紙と呼応するように描いています。とりまく光と空気、そして鉛筆ならではの質感が感じられる作品になればと思います。
根気のいる仕事で大作の制作には何カ月もかかることがある。決して派手な仕事ではないが、ほかに類似の手法を見ないユニークな作品だと思う。
・
加納野乃子展「光と肌理」
2020年9月1日(火)―9月6日(日)
13:00-19:00(最終日17:00まで)
・
かわかみ画廊
東京都港区北青山3-3-7 第一青山ビル1F
電話03-6447-2328
東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線/表参道駅A3出口より徒歩5分
青山通りに面しているビルで、自転車屋(サイクルOlympic)の間の通路を入った奥左手