1995年の飯田市美術博物館の展示から

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 1991年に飯田市美術博物館で「新収蔵品展」が開かれ、山本弘の作品12点が初めて展示された。その4年後、1995年に同じ飯田市美術博物館で「平常展示 須田剋太の世界/山本弘――館蔵品より」が開かれて、20点近くが展示された。
 それをきちんと撮影していなかったが、古いカラープリントを紹介したい。100号の「路地裏」が初めて展示されていたからだ。これらは全て美術館の収蔵品である。

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「路地裏」
左は「二本」という作品で2本並んだ樹木を描いている。
「路地裏」100号は狭い路地の両側の壁に額に入った人物画が並べられているような、あるいは落書きが描かれているような作品だ。中央の白い帯は暗い路地の向こうの光だろう。左手に子供が描かれ、右下に犬が座っている。とても美しい色彩だ。
 大きさを表すために山本弘未亡人愛子さんが立っているカットも並べた。

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「小笠原屋敷」

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「旧屋」

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「沼」
これは『山本弘遺作画集』の図版から採った

 飯田市美術博物館は、その後2011年に「室内の絵画―生物と人間―」に山本弘を10点ばかり展示した以外、もう9年間もまとまった展示がない。とても残念だ。今年が山本弘生誕90年であり、来年が没後30年だというのに。