27年前の戦後日本美術ベストテンを見直す

 久しぶりに『芸術新潮』1993年2月号を書棚から取り出した。30人の美術評論家が選んだ戦後美術のベストテンが特集されている。1993年、平成5年、戦後48年。この年は現天皇の当時皇太子が結婚した。細川護熙・非自民8党派連立内閣成立、田中角栄元首相が亡くなった。そのベストテンを見てみる。

1. 河原温
2. 斎藤義重
3. 草間弥生・白髪一雄・リーウーファン
6. 荒川修作・関根伸夫・三木富雄
9. 岡本太郎・鶴岡政男
11. 川俣正山田正亮・若林奮
14. 赤瀬川原平・戸谷成雄・中西夏之・山口長男・山下菊二
19. 靉嘔・工藤哲巳・菅木志雄・高松次郎・堀内正和・八木一夫横尾忠則
26. 今井俊満宇佐美圭司・榎倉康二・環境造形Q・菊畑茂久馬・堂本尚郎ハイレッドセンター・彦坂尚嘉・土方巽・堀浩哉・村岡三郎・吉原治良

 以上1位から37位まで。これは30人の評論家たちから3票以上集めた作家たちだ。さて、30年近くでこんなに変わるのか。現在の美術シーンから見直してみたい。河原温の1位は過大評価だろう。3位の草間弥生・白髪一雄・リーウーファンも評価が高すぎる。6位に並ぶ荒川修作・関根伸夫・三木富雄も同様だ。3人ともマイナー作家に位置づけられるだろう。9位の岡本太郎はテレビ広告出演や太陽の塔の一般大衆における知名度によるものだろう。実力の評価ではない。
吉仲太造が入っていない、野見山暁治も村井正誠も猪熊弦一郎中村宏も難波田龍起も! 山口長男は高位に入っていいだろう。中西夏之も山下菊二も高く評価したい。 
 さて、また同じような企画を立てたらどんなメンバーが選ばれるのだろう。

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