深沢眞二『連句の教室』(平凡社新書)を読む。深沢は和光大学の教授で、一般教養科目で連句を巻く授業をしていて、その一部始終を本にまとめたもの。初心者の学生たちに連句に参加させ、その結果で単位を与えるとしている。
初心者の学生たちに連句のルールを教え、連句に参加させ、面白さを教える、という趣旨は確かに連句の入門書としてうってつけだと思う。進行につれて数々のルールも教えてくれる。深沢先生が捌きてとなって、良い句、悪い句、その理由を指摘する。読んでいて、連句がよく分かった気になった。とても良い入門書だと思う。
欠点とすれば、初心者の学生たちの作例を引いて進めているので、その学生たちの句があまり面白くないことくらいか。
巻末に参考になる本が推薦されていて、それも充実している。私も、東明雅『連句入門――芭蕉の俳諧に即して』(中公新書)と、東明雅『芭蕉の恋句』(岩波新書)、丸谷才一・大岡信・岡野弘彦『歌仙の愉しみ』(岩波新書)を読んでみたいと思った。