ゴダールの映画『イメージの本』を見る

f:id:mmpolo:20190523115458j:plain

 ゴダールの新作映画『イメージの本』をシネスイッチ銀座で見る。際立ったストーリーはなく、ほとんど全編古い映画の荒れたコピーの断片を繋いでいる。各々のシーンは短く、次々と別の映画のシーンに変わっていく。コラージュといっていいだろう。ただ古い映像にペルトの現代音楽が重ねられたり、映像もひどく荒れさせていて、ゴダールが相当手を入れている。
 具体的なストーリーが紡がれている訳ではないのに、暴力や戦争などに対する批判的なメッセージが伝わってきて、観客の緊張が持続する。ゴダールの社会性に対するこだわりが見る者を共振させる。
 社会性ということを改めて考えさせられた。社会性というものが、表現活動に必須だとか必要条件だとか主張するつもりはないが、その大きな要素であることを忘れてはいけないだろう。
 シネスイッチ銀座で5月21日の5時の上映を見たが、観客は1割以下だった。シニア料金で1,100円だった。なんか申し訳ない気持ち。