熊切圭介写真集『東京ワンダー 揺らぐ街』(クレヴィス)を見る。熊切は1934年生まれ、2015年から日本写真家協会の会長を務めているというから大御所だ。
東京の街のスナップを集めている。熊切があとがきに書いている。
かなり長く写真をやっているが、こういうところを撮らないでもいいんじゃないかと写真を撮ることを注意されたことは一度もない。僕は1枚か2枚しか撮らない。しつこく撮ると、撮られる方も意識する。ところが通りがかりにパッと撮って終わると、相手の人も撮られたという感覚がない。(……)普段は28ミリレンズを使うことが圧倒的に多い。6×6の場合はハッセルブラッドのSWC。これはワイドのカメラで、目測で撮れる。
1枚か2枚しか撮らないというのは、フィルムカメラの経験も大きいのではないか。フィルムは安くなかったし、スナップをたくさん撮るのは一般的ではなかった。
自販機に囲まれた家。四谷
不思議な装飾のホテル。池袋
お店の装飾に作り物の巨木。木場付近
無防備に眠る姿。現代の東京を表すのにふさわしいモチーフ。