77ギャラリーの作陶 重野克明展を見る


 東京銀座の77ギャラリーで作陶 重野克明展が開かれている(10月12日まで)。重野は1975年千葉市生まれ、2003年東京藝術大学大学院修士課程美術研究科版画専攻を修了している。2000年に東京銀座の青樺画廊で初個展、以来77ギャラリーや高島屋美術画廊Xなどで個展を続けている。
 重野は版画を制作してきたが、今回初めて陶器を発表している。重野によると奥さんの実家が窯元らしい。そこで作陶を教わったという。作陶にあたってルールを決めた。「使える」作品を作るというルール。そこから抹茶茶碗に、ぐい呑み、花器、優勝カップ、ヘルメットなど。
 重野に訊いた。池田満寿夫も版画家でありながら晩年は陶による作品を作っていた。なぜ版画家が作陶に手を染めるのかと。すると、版画も版を作り刷ることで作ったそのままではない。作陶も窯で焼くし釉薬が変化して作ったそのままではない、そこに共通性があるのではないかと。
 重野の作品は版画にも共通するが、ユーモアがあって楽しい。陶器への絵付けはいつもの重野のイメージが描かれている。狙いすぎて気持ち悪い形態を作っていた池田満寿夫と違って、重野は大向こうなど狙わず自由に楽しく作っている。だからどの造形も気持ちが良いのだ。

防災ヘルメット(水着の娘)




人類の役割について前がかりになって考えるための椅子。

スタジアム・翼の折れたエース


ヘルメット(左打者用)


ナルシス


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作陶 重野克明展
2018年10月1日(月)−10月12日(金)
11:00−19:00(日曜・祭日休み)
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77ギャラリー
東京都中央区銀座7−5−4 毛利ビル5階
電話03−3574−1601
http://www.77gallery.com/