コバヤシ画廊の滝本優美展を見る

 東京銀座のコバヤシ画廊で滝本優美展が開かれている(8月4日まで)。これは「新世代への視点」の一環で、銀座・京橋などの11の画廊が企画して、40歳以下の作家を取り上げて開く共同個展だ。コバヤシ画廊は滝本を取り上げている。
 滝本は1992年、東京都生まれ、2016年に武蔵野美術大学造形学部油絵専攻を卒業し、2018年に同大学大学院造形研究科修士課程油絵コースを修了している。2016年にJINENギャラリーで初個展、その他シェル美術賞やトーキューワンダーウォール公募2016などに入選している。
 ギャラリーにはS120号の大きな油彩作品が6点並んでいる。滝本は筆を使わないでパレットナイフだけで描いているという。抽象作品だが、風景を感じたので訊くと自分の住んでいる大崎あたりの風景をもとに描いているのだという。
 滝本が書いている。

ナイフで絵の具をすくってキャンバスにのせていく。
何度も重ねて固くなった絵の具と色面で区切られたかたちは何様にも見え、決められたキャンバスのまっすぐなキワを絵の具が超えたとき、まるで絵の具で自立した建築物のようにわたしに迫ってきた。







 久しぶりに若手の優れた抽象作家に会えた気がする。たっぷりと油絵具を使って、ゆったりとした大きな世界を作っている。
 気持ちのよいギャラリー空間だった。
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滝本優美展
2018年7月23日(月)―8月4日(土)
11:30−19:00(最終日17:00まで)日曜休廊
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コバヤシ画廊
東京都中央区銀座3-8-12 ヤマトビルB1
電話03-3561-0515
http://www.gallerykobayashi.jp/