上野公園でさつきフェスティバルが開かれている(5月28日まで)。個々の具体的な樹齢は分からないが、幹回りを見ればみな100年以上なのだろう。見事というほかはない。
カレル・チャペックがイギリスの庭園の芝生作りについて『園芸家12カ月』で書いている。
かつてこの(英国のある田舎の)大地主に、アメリカの大富豪が言った。
「どうしたらこういう完全なみどりいろの、ぎっしり目のつんだ非のうちどころのない、びろうどのようにやわらかな、むらのない、みずみずしい、いつもかわらない、ーーかんたんに言うとですな、つまり、おたくの庭のようなこういうイギリス芝が、どうしたらつくれるか、おしえてくだすったら、お望みの額をいくらでもお払いしますがなあ」
するとイギリスの地主の答はこうだった。
「それは、ごく簡単です。土をよく深く耕すんです。水はけのいい、肥えた土でなくっちゃいけません。酸性の土ではいけません。あんまり肥料気がありすぎてもいけません。重くってもいけないし、やせていてもいけません。それから、その土をテーブルのように平らにして、芝の種をまいて、ローラーでていねいに土をおさえつけるんです。そして毎日水をやるんです。芝がはえてきたら、毎週、草刈り機で刈って、刈り取った芝を箒で掃いて、ローラーで芝をおさえるんです。毎日、水をかけて湿らせるんです。スプリンクラーで灌水するなり、スプレーするなりして、それを300年おつづけになると、わたしんとこと同じような、いい芝生ができます。
サツキの盆栽も同じような努力で作られているのだろう。
上野公園さつきフェスティバルについて
https://www.uenopark.info/2018/satsuki-festival-2018/

- 作者: カレルチャペック,Karel Capek,小松太郎
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