埼玉県立近代美術館の「モダンアート再訪」を見る


 さいたま市北浦和埼玉県立近代美術館で「モダンアート再訪」が開かれた(5月20日まで)。副題が「ダリ、ウォーホルから草間彌生まで、福岡市美術館コレクション展」というもの。福岡市美術館が工事休館中なので、その所蔵作品から70点を選んで展示した。まず、その質の高さに驚いた。10数年前に仕事で福岡市へ行ったとき、空いた時間で福岡県立美術館福岡市美術館を回ったことがあった。県立美術館と比較して圧倒的に福岡市美術館の常設が充実していたことが印象に残った。今回は来ていないがキーファーの大きな作品まであったことを覚えている。

 福岡だから当然九州派が並んでいる。菊畑茂久馬は竹橋の近美の常設や都現美でも見ていたが、桜井孝身は初めて見た。野見山暁治の初期の作品がデュビュッフェと並べられていて、その親近性がよく分かった。具体の吉原治良、白髪一雄、田中敦子嶋本昭三も並んでいる。中村宏タイガー立石も印象に残った。新しいところではやなぎみわ、柳幸典の蟻の作品、辰野登恵子もあった。
 海外作家もウォーホルのプレスリーを描いた大きな作品、ダリの聖母の作品、ステラやイヴ・クラインなど良い作品がそろっていた。
 なぜ福岡市美術館のコレクションがこんなに充実しているのだろう。優れた学芸員がいたのだろうか?
※(ちらし表紙は菊畑茂久馬)
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「モダンアート再訪」
2018年4月7日(土)―5月20日(日)
10:00−17:30(月曜日休館)
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埼玉県立近代美術館
さいたま市浦和区常盤9-30-1
電話048-824-0111
http://www.pref.spec.ed.jp/momas/