森洋子『ブリューゲルの世界』(新潮社とんぼの本)を見ている。「野外での農民の婚礼の踊り」という絵がある。キャプションは「目を見張らされるのは農婦たちの多種多様な「頭巾。当時、女性はみな頭巾をかぶっており、巻き方にも各自の工夫があった。……」
この絵の一部が裏表紙に大きく載っている。中央の男も右端の男もズボンの前部分がいわばペニスケースのような膨らみが付いている。解説に触れられていないので、当時これが普通だったのだろう。いまだったらちょっとどころか相当恥ずかしい。
してみると、別の時代からみたら、現在の女性が胸を強調している服装―ブラで大きく見せているファッションも恥ずかしいものと感じる時代があるだろうか? 逆にこの絵のペニスケースに相当するようなある部分を強調するような女性ファッションも出現するのだろうか? 昔、ピアスが流行り始めたころ、まさか牛の鼻輪のようなものが流行るなんてことはないだろうと思っていたのに、実際にはそれも現実のものになったのだから。
これまた昔のことだが、サトウサンペイの新聞連載のサラリーマン漫画で、パンタロンが流行り始めたころ、正しい穿き方といけない穿き方というのがあって、パンタロンの前ボタンが3つ見えているのは良くて、ブラウスかなにかにボタン2つが隠れていて、1個だけしか見えていないのをいけない穿き方としていた。よくもこんな漫画が新聞(朝日だったっけ?)に載ったものだと驚いたことを憶えているが。
- 作者: 森洋子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2017/04/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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