ギャラリーf分の1の笹井祐子展を見る

 東京お茶の水のギャラリーf分の1で笹井祐子展が開かれている(7月29日まで)。笹井は1966年生まれ、日大芸術学部研究所版画コースを卒業している。最初の個展は1989年にJCBギャラリーで、次いで1991年ギャラリー21+葉で行っている。









 笹井は元来版画家だが、今回ドローイングや立体(ブロンズ)まで出品している。そのどれもが悪くない。ブロンズは5cmほどの小品だが、堂々とした作品だ。柳原義達のカラスを連想したが鶏だとのこと。
 だが今回の目玉はメキシコ産のアマテ紙という特殊な紙に和紙を貼り、凸版とパステルを重ねた作品だ。アマテ紙はもともと穴が開いていて結構厚くインクが裏面にまで通らない。したがって表裏に別々のイメージが描かれている。そんなわけで壁面に展示するのではなく天井から吊って両面を見せている。
 また小品ながら2点展示されているドライポイントも良い。そしてモデルを使ったドローイングがさらに魅力的なのだ。聞けば、ドライポイントもドローイングもすごくたくさん制作してあるとのこと。それぞれに特化した個展を見せてもらいたいと思うのは私だけではないだろう。
     ・
笹井祐子展
2017年7月19日(水)〜7月29日(土)月曜休廊
11:00−18:30(日曜・最終日は17:00まで)
     ・
ギャラリーf分の1
東京都千代田区神田駿河台1-5-6 コトー駿河
電話03-3293-8756
http://www.galleryf-1.net