東京銀座のギャラリー現で齊藤誠展が開かれている(5月13日まで)。齊藤は60代の作家、詳しい経歴は分からない。ギャラリー現で毎年もう20数回個展を開いている。
ちょっと変わった作風だ。装飾的で一見ウォーホルの花のシルクスクリーン作品を思わせる。
しかし、齊藤の本領は次のような作品だ。装飾的だが、欧米の美術のような洗練さとは異質で、土俗的な印象が強い。それは齊藤の志向するところなのだろう。少々くどいような表現は日本の民間の伝統的な美意識に通じているようだ。洗練さをあえて拒否して、現代美術としては他に類を見ない独特の表現に達している。
さて、今回ギャラリー現がひと月後に閉廊するためか、齊藤が大盤振る舞いをしている。画廊右側の壁面を見ると、キャンバスに油彩やアクリルで描かれた数十点の花の0号作品が、何といずれもわずか1,000円で販売されているのだ! 数字の間違いではなく、1の後に0が3つの千円なのだ。ぜひ早く駆けつけて買うべし!
30年続いたギャラリー現の閉廊に当たって、作家齊藤誠からの豪華なプレゼントなのだろう。
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齊藤誠展
2017年5月1日(月)−5月13日(土)
11:30−19:00(土曜日17:30まで)日曜・祝日休廊
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ギャラリー現
東京都中央区銀座1-10-19 銀座一ビル3F
電話03-3561-6869
http://g-gen.main.jp