ギャラリーtの齊藤寛之個展「夢から覚める玩具」を見る

 東京台東区浅草橋のギャラリーtで齊藤寛之個展「夢から覚める玩具」が開かれている(12月17日まで)。齊藤は1973年東京生まれ。1998年東京藝術大学美術学部彫刻家を卒業し、2000年に同大学大学院美術研究彫刻専攻を修了している。1999年にフタバ画廊で初個展、その後巷房などで個展を行っている。
 画廊のホームページから、

本展では、日本の大工道具である鉋(かんな)の持ち手の木部に最小の彫刻を施し、船や飛行機などといった乗り物の玩具に見立てた、新作《Rocking Plane》を約250点陳列します。鉋の底部は、削られ丸みをおび揺り籠のように揺れ、不安定な現代社会を表現しています。また、鋭く光る金色の真鍮の刃は、日常の遊びの中に潜む痛みや傷を想起させます。見慣れた様相とは異なる、不均衡に変容した玩具の群像を是非この機会にご覧ください。





 それにしても250点も展示するというのは相当な数だ。一つ一つを見せるというよりも作品の集合を見せるような印象だ。既製品を作品だとして提示するのがデュシャンが始めたレディーメイドなら、このように実用品に見えてそれが作品だというのは何と言うのだろう。いや、カンナに見えて底が舟形になっているなんて少しも実用的なんかじゃない。玩具という所以か。
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齊藤寛之個展「夢から覚める玩具」
2016年11月18日(金)―12月17日(土)
11:00―19:00(日・月曜日休廊、11/23開廊、12/3閉廊)
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ギャラリーt
東京都台東区柳橋1-9-11
電話03-3862-8549
http://www.toho-beads.co.jp/tbs/index.html
JR総武線浅草橋駅東口および都営地下鉄浅草線浅草橋駅A1より徒歩5分