コバヤシ画廊の西成田洋子展「記憶の領域2016」を見る

 東京銀座のコバヤシ画廊で西成田洋子展「記憶の領域2016」が開かれている(11月12日まで)。西成田は1953年茨城県生まれ、1987年より東京、水戸、ニューヨークなどでもう30回以上も個展を開いている。作品は大きな奇妙な立体で、古着などを縫い合わせて造形している。
 古着などを素材にして作っているので本来きれいなものではないはずなのに、西成田の作る立体は美しい。造形として完成している。





 今年変った点は従来床に置いた作品が主で、壁に賭けられた作品が従の印象だったのが、今回二つとも存在が拮抗していて、どちらが主とは言いがたい。
 作家によると、従来壁に掛けた作品も床に置いて制作していたが、今回は最初から壁に掛けて制作したとのこと。それでこんなに変わったのか。
 どちらも何か有機体のような印象だ。造形として美しいと書いたが、一面ゾンビを連想してしまったのも事実だった。古着を縫い合わせてこんな強い造形を完成させている。遅咲きの作家ではあるが、現代日本の優れた造形作家の一人だと思う。
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西成田洋子展「記憶の領域2016」
2016年11月7日(月)−11月12日(土)
11:30−19:00(最終日17:00まで)
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コバヤシ画廊
東京都中央区銀座3-8-12 ヤマトビルB1
電話03-3561-0515
http://www.gallerykobayashi.jp/