「木々との対話」の國安孝昌が圧倒的

 上野の東京都美術館で開館90周年記念展と銘打って「木々との対話」が開かれている(10月2日まで)。木という素材を使った作品を制作している5人の立体作家、國安孝昌、須田悦弘、田窪恭治、土屋仁応、舟越桂の作品を展示している。5人の中でも國安の作品が圧倒的だった。
 東京都美術館の地下3階のギャラリーAをほとんど使って、國安は木材とレンガ(陶ブロック)を吹き抜けの天井一杯まで積み上げている。3年前、国立新美術館の一角に同じ様な作品を展示したことがあったが、屋内での作品ではこれまでで最大のものではないだろうか。制作に2週間かかったという。開館90周年記念展に相応しい作品だ。





 國安は1957年北海道生まれ、1981年に北海道教育大学教育学部を卒業し、1983年に筑波大学大学院芸術研究科を修了している。各地のギャラリーで個展を開いているが、また「雨引の里と彫刻」や「越後妻有トリエンナーレ」など大規模なグループ展に数多く参加している。2013年には国立新美術館の「アーティスト・ファイル2013」に参加していた。
 國安の作品の前では、他の作家の作品がすっとんでしまう。ただ。小さいものに徹した須田悦弘については明日紹介したい。


ギャラリーなつかの國安孝昌展「〜静かに行くこと、遠く内省すること〜」はまるで異次元のようだ!(2013年8月30日)

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「木々との対話」
2016年7月26日(火)−10月2日(日)
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東京都美術館
東京都台東区上野公園8-36
電話03-3823-6921