東京高円寺にあるChim↑Pomが運営するアーチスト ラン スペース Garterへ行ってみた

 東京高円寺にあるアーチスト ラン スペース Garterへ行ってみた。ここは美術家集団Chim↑Pomが運営するギャラリー空間で、現在涌井智仁展「Long, Long, Long」が開かれている(6月5日まで)。
 住所を書いたメモを見ながらGarterを探す。私はスマホを持ってないのだ。高円寺は35年前に住んでいたので多少の土地勘はある。高円寺駅から北西に伸びる細い道がある。風俗店が軒を連ねているあまり上品ではない通りだ。いや老舗の古書店(都丸書店)も並んでいるから一概に品がないとも言えない。私の住む街には風俗店もない代わりに古本屋もない。
 駅から200メートルくらい進んだだろうか、左手に曲がる路地がある。そしてすぐに番地が書かれたプレートを見付けた。「4−13」とある。ここだろう。



 見上げると古びた看板があって、「Ch m Pom」とある。「i」と「↑」が取れちゃったみたいだ。しかし古くて本当にボロい建物だ。後でスタッフに教えてもらったら、戦前に建てられた木造建築で、増築や合体などを経てきて複雑な構造だそうだ。こんなボロい建物がいまでも使われていることが驚きだ。物置なんかの方がもっと立派ではないか。
 現在、涌井智仁展「Long, Long, Long」が開かれている。涌井のステートメントから、

特殊なモノの存在として電子データがある。電子データは人間の手には余るほどの無間の距離を持ち、単数であり複数でもある。現代社会に生きる私達はインターネットを常時接続し、無自覚に無数の電子データを放出し続けている。現代版アレシボ・メッセージであるこの電子データを私は今回の展示で送信しようと思う。電子データは電波として進みつづけ、原型を歪めながら変化をし、我々の認識から遠ざかっていくだろう。それは距離も時間も突破し、微弱で、判別も出来ない何かになるはずだ。私の作品が最終的にどう振る舞うのか、私は当事者になれないが故に知ることもできない。展示会場でその行く末を見守ってほしい。





 展示会場で映像が映し出されているのを見ながら、私にはよく分からなかった。でもGarter空間を体験できたことは実に興味深かった。2階にも展示があるとちらしに書かれているが、2階への入り口が分からなかった。スタッフに訊くと黒いカーテンをめくって階段を示してくれた。映像展示なので、4室ある空間はどれも薄暗い。そこに様々な映像がチカチカ光っていた。
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涌井智仁展「Long, Long, Long」
2016年5月7日(土)−6月5日(日)
14:00−20:00(水曜日休み)
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アーチスト ラン スペース Garter
東京都杉並区高円寺北3−4‐13 キタコレビル
http://chimpom.jp/artistrunspace/