ギャルリー東京ユマニテの天野浩子展を見る

 東京京橋のギャルリー東京ユマニテbisで天野浩子展が開かれた(4月23日=今日まで)。天野は1984年神奈川県生まれ。2007年に女子美術大学芸術学部立体アート学科を卒業し、2009年に東京芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻を修了している。日本や韓国、台湾のグループ展に参加し、昨年いりや画廊で初個展を行っている。
 今回の個展のためのパンフレットに天野が書いている。

石を割っていると、形が出現してくる。
砥石で研いでいると、色が定着してくる。
制作という時間を経て石は形と色をもち、そして私から独立していく。
その石たちを4つ配して眺めをつくる。
この白い部屋を一つの風景にする。




 この小さなスペースに足を踏み入れると、大きな丸い石が4つごろんと置かれている。ほとんど自然石ではないかと思えるような形。よく見てみるとなだらかな丸さは確かに手が入っているようだ。天野と話す。石は小松石と言う。今回色が気に入ってこの石を選んだという。1個が約250kg。底がどうなっているのか訊くと、3カ所で接地するように作っているという。横から覗くと底部にわずかな空間が見える。
 触ってもいいと言うのでそっと触れるととても滑らかだ。表面に沿って手を滑らせると丸みと触感が快い。形もじっくり見ているとなかなかエロティックにも見えてくる。最初に見たときの無愛想な空間が心地よく感じてくる。
 天野は全く手入れのされていないような形を提示している。ところが実は自然石に見えるような形を作り上げている。きわめて入念に手を掛けて。一つ完成するのに1カ月かかるという。

 別室の壁に小さな作品が4つ設置されていた。マケットではなく、大きな作品を作った後でそれを模して作った小品だとのこと。1個が5kgあるが、しっかり壁に留められている。
 会期が今日までで紹介するのが遅れて残念だった。
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天野浩子展
2016年4月11日(月)−4月23日(土)
10:30ー18:30(最終日18:00まで)日曜休廊
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ギャルリー東京ユマニテbis
東京都中央区京橋2-8-18 昭和ビルB2F
電話03-3562-1305
http://g-tokyohumanite.jp/