中和ギャラリーの「柴田和 今昔展」を見る

 東京銀座の中和ギャラリーで「柴田和 今昔展」が開かれている(2月27日まで)。柴田は1934年生まれ、帝国美術学校(武蔵野美術大学の前身)を卒業。1960年代、美術グループ乱立の時代は堀内康司(実在者)らと一緒に活動していた。1963年、読売アンデパンダン展で出品拒否を受ける。翌年から空間創りを街中に移し、環境美術の提唱者となる。
 2015年4月にギャラリー川船(東京京橋)で開催された「現代美術 俯瞰展」出品作家の一人。同展は、美術史に埋もれつつある前衛作家たちを取り上げる内容で大きな反響を呼んだ。続けて、本年2月初めに銀座洋協ホールで大々的に開催された「戦後美術の分水嶺Part II」展の出品作家としても選出された。
 また、渓流釣り師としても名を馳せ、「しばた和」名義で釣り関連の多くの著書がある。
 今回の展示作品は、最近作の平面作品と、1960年代の立体作品とからなる。

1.平面作品(〜2015年)「表情の小さい顔日記シリーズ」


 鑑賞へのひとつの手引きとして、コトバとのコラボレーションの実験を試みました。現在もニューバージョンを模索中の作品です。

 



2.立体作品(1960年代)「環境芸術(美)と環境デザイン(用)のコラボレーション」


 大作が主だったもので、そのスケッチとマケット(彫刻の試作のための模型)、写真などの展示になります。作家の美意識とそれを利用する人たちとのコラボが成立した時点で作品の完成ということになります。



水に浮く角砂糖



高さ6メートルの作品のマケットとスケッチ



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柴田和 今昔展
2016年2月22日(月)〜2月27日(土)
12:00〜19:00(最終日17:00まで)
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中和ギャラリー
東京都中央区銀座6-4-8 曽根ビル3階
電話03-3575-7620
http://www.chu-wa.com