秋山画廊の歳森勲展が興味深い

 東京千駄ヶ谷の秋山画廊で歳森勲展が開かれている(1月28日まで)。歳森は40代後半くらいとのこと、詳しいことは分からない。
 画廊へ入って一段高いところから画廊空間を見下ろすと、中心に箱状のものが設置されていて、左右の壁面に平面作品が並べられている。近づいてみると、箱状のものは中にパイプ椅子が6脚組み合わされていて、両脇を会議室などで見られる折りたたみ机が2台立てられている。それを紗でくるんでいる。奥に汚い水が入ったポリ容器と箒が置かれている。秋山さんによると、作家が画廊内や外を掃除しそのゴミを水で溶いて紗に塗っているのだという。これは作品を汚してて時代色を付けているのだろうか。たしかに白く綺麗なままの紗では何かよそよそしい印象を受けるのかもしれない。モランディが描く対象の壺などに埃を積もらせてそれを描いていたことを思い出した。







 左右の平面作品はよく分からなかった。右側の壁面の手前の作品は新聞紙に描かれたもののようで、「声 上げ続けよう」との大きな見出しが読み取れる。安保法案反対の朝日新聞の記事のようだった。
 中央の立体作品は日常の器物を使って作品を構成していながら、造形的な完成度が高いと思われて興味深かった。
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歳森勲展
2016年1月11日(月)−1月25日(木)
12:00−19:00(最終日17:00まで)日曜休廊
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秋山画廊
〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷3-7-6
TEL/FAX03-3401-9505
http://www.akiyama-g.com/
東京メトロ副都心線北参道駅(出口1・2)より徒歩2分
JR代々木駅西口、または都営大江戸線代々木駅(A2出口)から徒歩10分
北参道駅と秋山画廊の途中の右側には、移転してきたTaka Ishiiギャラリーと小山登美夫ギャラリーがあり、併せて見ることができる。