鳩の死

 朝、マンションの中庭を通ると羽が散らばっていた。近づいてよく見ると鳩が死んでいた。何か天敵に襲われたような様子だった。近づいて写真を撮っていると、すぐ近くの倉庫の屋根に止まっていたカラスが一声カーと鳴いて飛んでいった。すると、これはカラスに襲われたもののようだ。




 残酷にも見えるが、これが自然なのだろう。誰かが日本には道端に人の指1本落ちていないと書いていた。交通事故は珍しいものではないのに、遺体などは早急に隠される。
 そういえば、以前子どもたちを集めて、鳩を驚かせてみせるよと言ってトビの鳴き声をやって見せたことがあった。
「ピーヒョロロロロ、ピーヒョロロロロ」とやったのに、肝腎の鳩は知らん顔だった。田舎ではトビが普通にいて、その声を聞くと鳩たちが不安そうにキョロキョロしたのだったが。都会ではトビなんてなかなか見ることができないので、鳩もその怖さを知らないのだった。
 以前マンションの入り口のガラス扉に激突して死んでいたカラスを撮影したことがあった。


ガラスに激突して死んだカラス(2009年12月8日)