須藤靖のエッセイ「「青木まりこ」現象にみる科学の方法論」を読んで

 東大出版会のPR誌『UP』12月号に須藤靖の「「青木まりこ」現象にみる科学の方法論」というエッセイが載っている。不定期連載の「注文の多い雑文」の32回目だ。なおこの「注文」は「ちゅうぶん」と読み、章末に注がたくさん列記されているのでこの題名になっている。
 須藤は新聞各社が出している電子版にはほぼ毎日目を通すと書く。ただし無料の範囲に限ると。なかでもNK新聞のコラムを楽しみにしている。そこに「「青木まりこ」現象からみた不眠を呼ぶ黒魔術」というタイトルがあった。須藤はこの「青木まりこ」現象を調べてみる。するとWIKIPEDIAに膨大な記載があった。それは1985年に『本の雑誌』の読書欄に掲載された青木まりこ氏の投書がもとになっていて、書店に行くたびに便意を催すという症状のことだった。WIKIPEDIAに書かれている数々の仮説を須藤が検証していく。この「青木まりこ」現象に関するWIKIPEDIAの記載がおもしろいので読んで見ることをお薦めする(←私の意見)。
 さて、須藤のこの連載にときどき登場するT嬢なる東大出版会の編集者がいる。注の9で、最近ある読者からコメントをもらったとそれを紹介している。「最近の須藤稿にはT嬢という単語が見えないので、まだ在職されておいででしょうか、いささか不安です」。その答えは「もちろんT嬢は健在です」となっている。そして「拙著『ものの大きさ』(東京大学出版会、2006年)以来、10年間にわたって構築してきた良好な関係云々」と続けている。
 実は私もT嬢に関心があって、このブログでも何度か取り上げてきた。以前、須藤は彼女について「見目麗しい女性」と書いている。また飛行力学が専門の東大名誉教授加藤寛一郎も『UP』に執筆したエッセイで、「20年ぶりに(東大)出版会を訪れたときのこと。私は目の醒める美女にでくわした」と書いている。この美女もT嬢ではないだろうか。T嬢は須藤の担当をもう10年も勤めているそうだから、30代の魅力的な女性であるに違いない。



WIKIPEDIA青木まりこ現象
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%92%E6%9C%A8%E3%81%BE%E3%82%8A%E3%81%93%E7%8F%BE%E8%B1%A1


東大出版会の美女(2013年1月6日)