ギャラリーなつかの内平俊浩展が良い

 東京京橋のギャラリーなつかで内平俊浩展が開かれている(11月21日まで)。内平は1960年石川県生まれ、1982年に名古屋芸術大学美術学部彫刻科を卒業している。1987年から個展を始め、今回が4年ぶりの21回目に当たる。




 内平はいつも一見素朴な木彫作品を作っている。それも若い女性のほぼ等身大の木彫だ。粗い仕上げで、それに彩色をしている。彼女たちは時代の流行の服装をしている。いままで女子高生をモデルにすることが多かったが、今回それは1体だけで、ほかは普通の若い女性をモデルにしている。
 内平にとって、ギャラリーなつかが銀座から京橋に移転してから初めての個展だ。しかし5体の木彫作品はこの空間にすっきりと収まっている。その実在感がすばらしい。また、今回3点のマケットも展示されている。


 内平の作品は精密な仕上げを拒否したものだ。遠くで円空仏と響き合っているような作風だ。意識的に近代彫刻の概念を外した場所で仕事をしている。
そのため近代ヨーロッパの彫刻観を基準にした見方からは理解しにくいかもしれないが、独創的でユニークな作品だ。もっと高い評価を得られて良い作家だと思う。
       ・
内平俊浩展
2015年11月16日(月)−11月21日(土)
11:00〜18:30(土最終日17:00まで)
       ・
ギャラリーなつか
東京都中央区京橋3-4-2 フォーチュンビル1階
電話03-6265-1889
http://homepage2.nifty.com/gallery-natsuka/