秦俊也展-CALENDRIER-が興味深い

 東京日本橋小伝馬町のJINENギャラリーで秦俊也展-CALENDRIER-が開かれている(10月18日まで)。秦は1954年生まれ。若い頃は新制作展や埼玉近代美術館野外展などに参加し、1991年から94年にかけて銀座のなびす画廊で個展を行っていた。1996年からはモンゴル語の翻訳を行っている。





 今回の展示はフランスやオランダの古い本を使ったもの。本の背を外し、小口に近い方に穴を開けてビス留めしている。本とビス留めというある種ミスマッチな組合せ。不思議な造形だが、魅力的な形でもある。表に現れたページの読むことのできる文字を日本語に翻訳して題名としている。本の中に鉄板が入っているものもある。これは何かと訊くと、歴史には氷河時代もあったからという答えだった。すると、これらの本は歴史の暗喩なのか。そういえば中にフランスとオランダとドイツの本を一緒に綴じたものがあった。国によって紙質が違って層を成していた。
 壁に貼られた古い本のページには丸い穴が開けられていて、その穴がうねっている。古い自動ピアノの音符を再現しているという。
 とても興味深い個展だと思った。
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秦俊也展-CALENDRIER-
2015年10月13日(火)〜10月18日(日)
12:00〜19:00(最終日16:00まで)
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JINENギャラリー
東京都中央区日本橋小伝馬町7-8 久保ビル3階B室
電話03-5614-0976
http://jinens-art-studio.com/art/
東京メトロ日比谷線小伝馬町駅 2番出口から徒歩2分
JR総武快速線馬喰町駅都営地下鉄新宿線馬喰横山駅都営地下鉄浅草線東日本橋駅、いずれも地下道JR出口2番より徒歩4分