ギャラリー58の山下耕平展、新しい展開だ

 東京銀座のギャラリー58で山下耕平展が開かれている(10月3日まで)。山下は1984兵庫県生まれ、2007年に佐賀大学文化教育学部デザイン専攻を卒業している。東京では、2011年から毎年このギャラリー58で個展を続けていてもう5回目だ。
 山下は初め大きな不定形のキャンバスに群像を描いていたが、昨年から四角い画面になって人物の顔をアップで描くように変わった。今年はさらに、ドローイングのような顔のアップを展示している。山下に話を聞くと、いつもノートに顔を描いている。そのノートが7冊も貯まった。その中から選んで、大きな画面にしているという。2段で横に5枚を並べた作品の下段の真ん中は唯一女性らしき顔が薄く消されたように描かれている。これは何か問うと、ノートに描いたドローイングを裏側から見たものだという。
 「持ち物検査」と題された大きな作品がおもしろい。これのみ顔のアップではなく、少年の上半身が描かれている。題名は具体的な持ち物のことではなく、もっと観念的なものであるらしい。




 山下は毎年同じような作品を持ってくるのではなく、徐々にだが大きく展開させている。とても興味深い作家だ。
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山下耕平展
2015年9月24日(木)−10月3日(土)
12:00−19:00(最終日17:00まで)日曜休廊
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ギャラリー58
東京都中央区銀座4-4-13 琉映ビル4階
電話 03-3561-9177
http://www.gallery-58.com