桜切るバカ梅切らぬバカ


 「桜切るバカ梅切らぬバカ」と言う。桜は剪定に弱く切り口から腐って枯れていく。だから切ってはいけない。例外的に富士桜は比較的剪定に強いので盆栽などに使われている。
 さて、梅を切らないとどうなるか。写真は収穫放棄された梅の木。長いこと剪定など手入れがされていない。するとこのように枝が密生してしまう。
 ここは飯田市近郊の農村で、梅の産地だった。この地方では梅は小粒の竜峡小梅という品種が植えられている。これは梅干しでなく梅漬けに加工されている。ただ写真の梅は種の形が特殊で先端が尖っている。それが嫌われて市場で安値でしか取引されなくなった。栽培農家は採算が合わないので収穫を放棄し手入れもしなくなり、このような結果になってしまった。
 お盆前に田舎の墓地の掃除をしに行った折り撮影した。40年ほど前はきれいな梅の花が見られたのに。