東京品川区のT&Sギャラリーで「検証・斎藤義重の現場へ」が開かれている(4月25日まで)。斎藤は1904年東京生まれ、1978年東京国立近代美術館で大規模な個展開催。ほかにも1984年東京都美術館ほか、1993年横浜美術館ほか、1999年神奈川県立近代美術館で個展を開催した。2001年に97歳で死去。
多摩美術大学で教え、関根伸夫、吉田克朗、本田眞吾、成田克彦、小清水漸、菅木志雄など、のちに「もの派」を形成する作家たちに強い影響を与えた。
多摩美術大学を退官したあと、東京芸術専門学校(TSA)を設立し講師に着任、のち学校長に就任した。1996年にT&Sギャラリーを開館し、開館記念として斎藤義重展を開催した。
今回の「検証・斎藤義重の現場へ」は、その時の展示を再現している。ちらしによると、
検証・斎藤義重の現場へ展は、1996年のT&Sギャラリー開館時に斎藤義重個展において展示された複合体「T&Sギャラリーのための」(1)を、当時の記録資料・写真等をもとに再現展示し、斎藤自身がこだわった空間とその表現を検証することを目的としています。この作品はインスタレーションとして展示されたもので、ギャラリー地下フロアーの空間全体を占めるひとつの大きな作品を構成しています。(後略)
ギャラリーの4面の壁と床いっぱいに黒く塗られた木の板が展示されている。床に置かれた3つの箱状のものは、中に白い板状のものが入れられていて、その線は箱から箱へ真っ直ぐ伸びて、その先の壁面に展示された2つの箱の中に置かれた白い線に続いている。
そのほか、各壁面の作品も独立しているようにも見え、また連続しているようにも見える。ちらしに書かれたように、空間全体がひとつの作品なのだろう。これはこの場所に来てみないとよくは分からない。というかここで体験する作品なのだ。
この時期の斎藤の作品を延長すると、弟子の菅木志雄に真っ直ぐ繋がっていくのがよく分かる。「もの派」が斎藤から始まっていることが確認できる。
展示は前期・後期とあるが、作品の展示替えはないという。
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「検証・斎藤義重の現場へ」
前期:2015年3月9日(月)〜3月28日(土)日曜・祝日休廊
後期:2015年4月8日(水)〜4月25日(土)日曜休廊
10:00〜18:00(土曜は17:00まで)
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T&Sギャラリー
東京都品川区西大井6-1-23(朋優学院内高等学校内)
電話03-3785-3330
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