ようやくシモバシラに霜柱が発生した

 先日ようやくシモバシラの霜柱が発生して撮影することができた。前夜の天気予報で、翌日2月9日の最低気温が東京23区で−1℃と発表された。その朝、期待して公園へ向かった。もう小父さんたちが来ている。小さいが霜柱ができていた。仲間に入れてもらって交替で撮る。




 シモバシラはシソ科の植物で、寒い冬の朝にその茎から霜柱ができることがある。この霜柱の発生について、舘野正樹が東京大学出版会のPR誌『UP』に連載しているコラム「植物の生をみつめる」に書いていた(2013年12月号)。昨年もこれを引用したが、今回も再録する。

 11月に入ると、日光植物園では毎日のように霜が降りる。このとき、土の上だけでなく、ある枯れた植物の茎にも霜柱ができる。植物の名はシソ科のシモバシラ。この霜柱は横に伸びてカールしていくため、茎全体が霜柱の筒で覆われているように見える。

 これに続いて、舘野は霜柱のでき方を説明する。水はその分子の中に電気的にプラスとマイナスの部分を持つ。土はマイナスなので、水のプラスの部分と引き合い、水が土の粒子の間隙を伝っていく。これによって水が重力に逆らって土の中を上昇する。上昇した水が氷になる。結晶である氷は土と引き合う力が弱くなり、液体の水が下から上昇し氷を押し上げる。これを繰り返して霜柱ができる。

 植物の茎も水と電気的に引き合うことができる。これによって茎の内部にある空隙を伝い、水が地面から数十センチは上昇する。茎の空隙は横にも伸びていて、外部と連絡している。このため、茎にできる霜柱は横に向かって伸びる。茎から伸びる霜柱は、他にもサルビアの枯れた茎でも観察できる。ただし、本家ほどにな長くならないようだ。

 撮影していた小父さんで詳しい人が、公園の塀の外に植えてあるブルーサルビアにもできることがあるよ、もっと小さいけれどと教えてくれた。
 今年のは小さくやっと2センチくらいだった。また寒い朝再度撮影に挑戦しよう。