Oギャラリーの志村冬佳展「牛人と牛人のあいだ」がおもしろい

 東京銀座のOギャラリーで志村冬佳展「牛人と牛人のあいだ」が開かれている(1月11日まで)。志村は1980年山梨県生まれ、2002年に筑波大学芸術専門群を卒業し、2004年に同大学芸術研究科洋画コースを修了している。2001年に牛久の画廊で初個展、その後銀座のフタバ画廊、2010年にこのOギャラリーでも個展をしている。




 志村は版画を作っている。ベニヤ板にリトグラフという手法だが、牛人や鶏人の頭は木版画で作っている。刷り上がったものを合板に貼り、周囲を切り抜いている。合板は厚さ1センチくらいありそうで、頭部などはそれが2枚重ねになっている。画廊の大野さんによると、だからとても重いとのこと。
 版画作品でありながら、木工的な加工もし、単なる版画に収まらないおもしろい作品だ。経歴を見ると筑波大学卒業となっている。先月ここの画廊で興味深い個展を開いた田島直樹さんと同じ大学ですねと大野さんに聞くと、田島さんの教え子とのこと。なるほど、だからこんな表現なんだと腑に落ちた。4点並んだ作品は頭が花になっている。2010年の個展はこの花人みたいな作品が中心じゃなかったっけ?
 新年早々おもしろい個展を見ることができた。これは春から縁起が良さそうだ。


Oギャラリーの田島直樹銅版画展−版の記憶−がおもしろい(2014年12月10日)

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志村冬佳展「牛人と牛人のあいだ」
2015年1月5日(月)〜1月11日(土)
12:00〜20:00(日曜日11:00〜16:00)
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Oギャラリー
東京都中央区銀座1-4-9 第一田村ビル3階
電話03-3567-7772
http://www4.big.or.jp/~ogallery/