広告写真の意味するものは?

 以前、精力剤の広告写真の意味するものが分からないと書いた。


 精力剤の広告で、「家内も驚く」というコピーから、その服用結果に奥さんが驚いているという図なのはよく分かる。彼女の視線の先に何があって驚いているのだろう。
 実はそれがよく分からない。女性は極端な驚きの表情を示してはいない。視線の先に非常識な情景が広がっているとは思えない。せいぜい、「まあ」程度の表情だ。ディレクターやカメラマンはどんな状況を設定しているのか。かれらはその設定をモデルの女の子に説明しているはずだ。君の目の前に立っているご主人は〜という状態なんだよ、と。その「まあ」程度の驚きを示す精力剤の効果を示す状況って何なのか分からない。モデルの女性の表情に適合するご主人のジェスチャーが私には分からないのだ。
アートディレクターの意図は?(2014年11月30日)

 それに対して、アランフェスさんが回答を示してくれた。その答えに私は深く納得した。

彼女の視線の先にあるのは、朝食のトーストを食べながら新聞を読んでる夫なんです。
そこにあるのはありふれた朝の家庭風景。しかし、彼女に見えているのは、昨夜の力強かった夫なんですね。
夫も彼女のこの視線には気付いていますが、そこは知らないふり。リラックスして自信にあふれた姿を妻に見せています。
しかし、彼女と視線を合わせる勇気はありません。なぜならこの自信が実力でなく、ベッドに入る一時間前に飲んだアレだと知られてはマズイからなんです。

 今回また分からない広告写真があった。やはり精力剤の広告だ。

 この写真の女性が表している感情は何なんだろう? ストレートに商品の効果に驚いているという表情なのだろうか。そのように考えるのが素直な判定だとういう気もするが、それではあまりにど真ん中の回答すぎてつまらないとも思ってしまう。
 誰かまたその意味するものを教えてほしい。