東京銀座の靖山画廊で、田端麻子のいつもの不思議な絵の個展が開かれている(10月25日まで)。田端は1972年神奈川県藤沢市生まれ、1996年に多摩美術大学油画専攻を卒業している。
田端は自由人のように見える。何でも自在にやってしまっている印象がある。最初の作品は2枚のキャンバスを合わせている。1枚のキャンバスで足りなくなったので、もう1枚継ぎ足したのだというが、天地の大きさが違っている。何か高さも違っちゃってなどと飄々(ひょうひょう)として話してくれる。よく見れば、つなぎ目の色も違っていて自由自在だ。
赤い和室にテーブルが置かれている。その向こうに女の子が立っている。あるいは正座した女性がこちらを見ていたり、帰宅途中なのか男の子が大きい鞄を肩に掛けて歩いている。「睡魔」と題されたムンクの「叫び」に似た顔の女性が泳いでいる絵もあるし、プールで大勢の人たちが浮き輪を使って泳いでいる作品もある。
縦位置の作品で、上部に赤い家が描かれているものがある。高い塀で囲われていて、子どもの姿も見えるが、手前には舟が浮かんでいるようだ。中央右寄りに木が生えているが、そこは小さな島なのか。囲まれた場所が好きだと以前言っていたが、これが典型的な田端の作品だ。
いつものように小さな立体作品も並んでいる。不思議で楽しい田端の世界だ。
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田端麻子展
2014年10月16日(木)→10月25日(土)
11:00〜19:00(会期中無休、土・日・最終日は17:00まで)
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靖山画廊
東京都中央区銀座5-14-16 銀座アビタシオン1階
電話03-3516-7356
http://www.art-japan.jp
地下鉄東銀座駅4番出口から徒歩3分
歌舞伎座正面の路地をすこし入ったところ