ミケランジェロに「ガニメーデの誘拐」という素描がある。ギリシア・ローマ神話から得たテーマで、神々の父ゼウス(ジュピター)が、羊飼いの少年ガニメーデの美貌に心を奪われ、鷲に変身して誘拐したエピソードを描いたものだ。以下、木下長宏『ミケランジェロ』(中公新書)から、
ミケランジェロは、ガニメーデが連れ去られる瞬間を絵にしている。しかし、誘拐された少年にしては、ガニメーデはまったく抗う様子は見せず、むしろ恍惚とした表情である。それに気づいて絵を見直すと、鷲はガニメーデの両脚を掴んで開かせ、胸に顔を擦り寄せていて、これは性行為の場面を描いていることはまちがいない。ガニメーデは、俗語で若い色男とか女性的な若者という意味で使われるとたいていの辞書には載っているが、肛門性交者の隠語ともなっている。
初めて知ったことばかりだ。この絵が肛門性交を描いているなんて! そして、そんな隠語があったなんて、私はまだまだ浅学の未熟者だ。Nさん、知ってた?
- 作者: 木下長宏
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2013/09/21
- メディア: 新書
- この商品を含むブログ (4件) を見る