番留京子展「−熊野讃歌−」を見る


 東京銀座のギャラリー・オカベで番留京子展「−熊野讃歌−」が開かれている(8月30日まで)。番留は富山県生まれ。1985年、創形美術学校を卒業している。1986年、ギャラリー青山で初個展。以来多くのギャラリーで個展を開いてきたが、最近はギャラリー・オカベで定期的に開催している。また国内外の版画展に参加し何度も授賞している。長く千葉県に住んでいたが、1992年より和歌山県熊野在住。
 番留は色彩が独特で、きわめて鮮やかな画面を作っている。形もダイナミックで、たとえば日本画に見られる細密描写とは真逆の、画面全体を大きく筆が走り回っている印象が強い。番留は長く住んでいる熊野の自然にこだわっている。熊野の森の鳥や樹木をプリミティブな形態で描き、余白を残さず画面いっぱいに描き込むのがその作品だ。版画とタブローを発表してきたが、今回は版画作品が中心となっている。特に白黒の版画は7枚のパネルをつないだ大きな作品だ。




 ダイナミックな形態と鮮やかな色彩が特徴で、番留の作品は一度見たら忘れられない。番留(ばんどめ)という姓もあまり聞かないが、彼女によるとときどき見かけるとのこと。
 今回はほぼ2週間の会期で、日曜を除いて来週一杯まで開かれている。番留のダイナミックな世界を体験してほしい。
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番留京子展「−熊野讃歌−」
2014年8月19日(火)−8月30日(土)
11:00−18:30(最終日17:00まで)日曜日休廊
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ギャラリー・オカベ
東京都中央区銀座4-4-5
電話03-3561-1740
http://www.galleryokabe.co.jp
※銀座4丁目交差点の和光の裏手