東京神楽坂のギャラリーeitoeikoで江川純太展が開かれている(8月20日まで)。江川は1978年神奈川県生まれ。2003年に多摩美術大学絵画学科日本画専攻を卒業している。2008年シェル美術賞入選、2010年と2011年にトーキョーワンダーウォールに入選、2013年VOCA展に出品し、去年の夏は東京ワンダーサイト本郷で個展を開いている。本ギャラリーでの個展は5回目になる。
ギャラリーのHPから、
移りゆく日常の光景や感情の反映を、自身の感覚に従って油絵具の動きに封じ込める江川純太の抽象絵画。キャンバスという白い平面に対して、顔料を物質的にとらえ、置く、削ぐ、のばす、繋げるといったアプローチが繰り返されます。反復される曖昧なドットや、空間を埋めるきめ細かいグレーのグラデーションには規則を意識させるところもあれば、その綻びもあり、画面には安定と不安定が屹立しています。 即興演奏のように生み出される作品が個人的な感傷であるか、あるいは世相を写す鏡となるか。絵筆を握りながら作家は思考します。
キャンバスにさまざまな色点を置く。それを別の色面で覆う。今回はその色点を覆わないで、そのまま作品としたものもある。江川はおそらくしたたかな計算をしているに違いない。感覚に委せて制作しているのではないだろう。その姿勢は岡崎乾二郎と共通するものがあるのではないか。
江川は毎回少しずつ変化している。大きく変わることもないが、前回と同じものを繰り返すこともしない。いつも新しい展開を模索しているように見える。それは制作にあたっての江川の誠実さだろう。
こんな風に作家の変化を追いかけていくのも興味深いものだ。
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江川純太展「全ては奥歯で砕かれる。」
2014年7月26日(土)〜8月30日(土)
夏期休廊 8月12日(火)〜8月16日(土)
12:00−19:00(日月祝日休廊)
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eitoeiko
東京都新宿区矢来町32-2
電話03-6873-3830
http://eitoeiko.com/
地下鉄東西線神楽坂駅(矢来口)から徒歩5分
地下鉄有楽町線江戸川橋駅から徒歩12分