ギャラリー・ビー・トウキョウの岸野ひと美展「−うつろい−」が興味深い

 東京京橋のギャラリー・ビー・トウキョウで岸野ひと美展「−うつろい−」が開かれている(5月24日まで)。岸野ひと美山梨県出身、2011年に東京造形大学美術学科彫刻専攻領域を卒業し、2014年に同大学大学院造形専攻美術研究領域を修了している。今回が初個展となる。
 岸野のファイルの簡単なテキストより、

人の彫刻を制作。
主な素材に、和紙や圧縮パルプ等の紙を使っている。





 岸野は彫刻作品を作っている。ギャラリーには何体かの人物像が並べられていたが、最新作だという写真の作品がとても興味深かった。テキストにあるように紙で作られている。まず粘土で原型を作り石膏で型を取る。その石膏の内側に紙を貼り重ねる。型から紙をはずし糸でかがって成形する。人物像の色は着色しているのではなく、素材の紙の色だという。内部はほとんど中空で足の一部に石膏をつめて重心としている。だから作品はとても軽いとのこと。
 このような技法で制作しているのを初めて見た。岸野考案のきわめて独自な技法で、しかもそうして作られた作品の完成度も高い。技法的には腰のあたりが工夫したところだということで、その部分をアップで撮影して表示した。


 ほかに小品も数点展示されていた。興味深い彫刻作家が誕生した。岸野の今後の歩みが楽しみだ。
       ・
岸野ひと美展「−うつろい−」
2014年5月19日(月)−5月24日(土)
11:00−19:00(最終日17:00まで)
       ・
ギャラリー・ビー・トウキョウ(GALLERY b. TOKYO)
東京都中央区京橋3-5-4 第1吉井ビルB1
電話03-5524-1071
http://www.gallery-b-tokyo.com
東京メトロ銀座線京橋駅2番出口から徒歩3分
警察博物館LIXILの間の小路を入った右側、主婦と生活社手前