たまたま目にしたSNSの掲示板に、ちょっと気になる言葉の使い方があった。
飼っている猫が太りすぎて、獣医からドクターストップがかかってしまったという。それで買いだめしておいたキャットフードが使えなくなった。「少し割高な未開封×××2kg2袋、○○7袋を棄てるのも気が引けて安く譲りたい」と掲示板への書き込みがあった。
賞味期限は×××が来年の6月、○○は来年の11月です。
お値段は×××1袋が定価約3000円の半額、1500円。○○は80円で。
送料は着払いとなってしまいます(。-_-。)
気になったのが「送料は着払いとなってしまいます(。-_-。)」のくだり。「なってしまいます」と書いて、自分の意志の関わらないところで決まっているふうに装っている。しかし、送料を着払いとしたのはこれを書いている本人だ。本来「送料は負担してくださいるようお願いします」と書くべきところだが、その「依頼」する形を避けたいという心情が働いたのだろう。済みません、送料は負担してください、と書くのは嫌だった。「済みません」と頭を下げたくない気持ちが、半分無意識にこんな形を取らせたのだ。
もっと言えば、「少し割高な〜を棄てるのも気が引けて安く譲りたい」と書いているが、「棄てるのも気が引けて」ではなく、本音は「捨てるのも惜しくて」なんだろう。
まさかこの程度のことで書いた人間を姑息なとは言わないが、ちゃんとした言葉づかいができているとは誰にも言われないだろう。
ここでちょっと思い出したのが、東日本大震災の津波で原発事故を起こした東京電力の言い訳「想定外だった」という言葉。想定外だったと言って、暗に人智を越えていた=不可抗力だったとのニュアンスを出していた。だが、想定したのは誰だったかと問えば、それは東京電力だった。東京電力が想定していなかったのだ。こんなことで責任を回避することはできない。