前田哲明の鉄の彫刻がみごと

 東京木場のギャラリーCOEXIST-TOKYOとEARTH+ギャラリーで前田哲明展が開かれている(1月26日まで、今日!)。前田は1961年東京都生まれ、1986年に東京芸術大学彫刻科を卒業し、同年安宅賞を受賞している。1991年同大学大学院博士課程満期修了、1997年に文化庁の在外研修員として1年間ロンドンに学んだ。
 1986年東京のギャラリーパレルゴンIIで初個展、その後ギャラリイK、村松画廊、ときわ画廊、ルナミ画廊、ギャラリーGAN、秋山画廊、またイギリスの画廊などで個展を繰り返している。特にときわ画廊では1990年から1998年までほとんど毎年個展を開いてきた。
 今回同じ建物の2階のギャラリーCOEXIST-TOKYOに新作の鉄の立体2点を、1階のEARTH+ギャラリーに旧作の鉄とアクリルの立体1点を展示している。いずれも高さ2.5mから3m近い大きな作品だ。



 新作の鉄の立体は、鉄の板が切られ溶接され床の鉄板に固定されている。深い森の立ち枯れた樹木を見るような印象だ。2階の広い空間を2点の作品がほとんど占拠しているようで、その強い存在感に圧倒される。


 1階の旧作は、両脇に湾曲した鉄の板を立て、それらに挟まれて14枚のアクリル板が並んでいる。アクリル板は厚さ1cm程もある透明なもので、それらが波打っている。2枚の鉄板を梁のように鉄柱が結び、そこからアクリル板が吊り下げられている。その大きさからくる重量感と、波打つ透明アクリル板から受ける軽やかさが不思議な印象を与えている。
 2008年の秋山画廊から久しぶりの個展となる。紹介するのが最終日になってしまって残念だが、できれば会場へ足を運んでほしい。地下鉄東西線木場駅3番出口から徒歩6分だ。
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前田哲明個展
2013年12月7日(土)−2014年1月26日(日)
11:00−19:00(月曜休廊)
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ギャラリーCOEXIST-TOKYO/EARTH+ギャラリー
東京都江東区木場3-18-17
電話03-5809-9949
http://coexist-tokyo.com/
http://earth-plus.net/