ギャラリートモスの梅田恭子展『霧と、』を見る

 東京日本橋本町のギャラリートモスで梅田恭子展『霧と、』が開かれている(12月13日まで)。梅田は東京都生まれ、1994 年 多摩美術大学美術学部デザイン科グラフィックデザイン専攻を卒業、1996 年 同大学大学院 美術研究科デザイン専攻を修了している。1994年に東京銀座のギャラリー中沢で2人展、1995年に銀座のOギャラリーで初個展を開き、以来、毎年各地のギャラリーで個展を開いている。
 今回は銅版画とドローイングが並んでいる。梅田の作品は静かで繊細なものだ。写真には再現しにくいほど。だから実際に見なければ作品の良さは分からないだろう。例えて言えば、とても小さな声で語っているのだが、耳を澄ませばその小さな声が強いことを言っているように。繊細な表現だからと侮ってはいけない。繊細な表現のなかに微妙で豊かな表情が認められる。小さな声だが強い主張がされている。
 紙に描かれたドローイングもおもしろかった。鉛筆で描いているが、少しだけ色彩が置かれている。板に描かれた小品も良かった。無彩色に近い作品に囲まれて強く色彩が感じられた。



銅版画作品


紙に描かれたドローイング

板に描かれた小品
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梅田恭子展『霧と、』
2013年12月3日(火)〜12月13日(金)
11:00〜18:00(最終日は17:00まで)日曜休廊
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ギャラリートモス
東京都中央区日本橋本町1-3-1 渡辺ビル1F
電話03-3271-6693
http://www.jpin.co.jp/saoh