東京銀座のギャラリーQで和田裕美子展が開かれている(11月30日まで)。和田は1981年神奈川県生まれ、2005年に多摩美術大学美術学部彫刻学科を卒業している。今回が初個展となる。
和田の作品はユニークだ。女の子が座っていたり、腰かけていたりするが、表現の中心はその髪だろう。長く伸びた髪で刺繍が編まれている。この髪は本物の人の髪だという。髪をこのように加工した作品はまだ見たことがない。とくにしゃがんでいる3人の女の子の回りに広がる髪で作られた敷物状の造形はみごとだ。
壁面に展示された作品は、5つの頭の回りに大きな花のような円形の刺繍状の髪が取り巻いている。もう一つの壁面の作品は、4つの頭から下がった髪がまるでドレスのように編まれている。
髪を使ってこのような造形をしたことが何よりユニークなのだ。同じことを毛糸や人工繊維でやった場合と全く意味が異なるのだ。どうしてこんなに力のある作家が今まで個展をしなかったのだろう。まあGEISAIやTAGBOATアートフェスや3331アンデパンダンには出品していたようだけど。これから彼女がどんな展開を見せてくれるのだろう。その展開の方向に興味がそそられる。
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和田裕美子展
2013年11月25日(月)−11月30日(土)
11:00−19:00(最終日17:00まで)
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ギャラリーQ
東京都中央区銀座1-14-12 楠本第17ビル3階
電話03-3535-2524
http://www.galleryq.info