ゆう画廊の吉田絢乃展が興味深い


 東京銀座のゆう画廊で吉田絢乃展が開かれている(10月12日まで)。吉田は1987年東京生まれ。2011年多摩美術大学造形表現学部造形学科を卒業し、今年同大学大学院修士課程油画領域を修了している。大学在学中からグループ展に参加し、卒業後は藍画廊の2人展、シェル美術賞展2013などに参加してるが、個展は今回が初めてとなる。



 作品は人や顔を不思議な素材で作っている。作家に素材と制作方法を問い合わせると、

材質:主にアクリル、ジェッソ、キャンバスです。DMなどの大きな作品は背景に油絵具も使用してます。
制作方法:ビニールの上にジェッソでモチーフを描き、乾いたものをビニールから剥がし紙のような物体を作っています。出来た物体をキャンバスに貼り付けるという方法で制作しています。

 レリーフにも見えるきわめてユニークな方法で制作している。一見、新聞紙や雑誌を貼り付けたように見えるが、文字はすべて作家が描きこんでいるという。人物の全体像からは顔が省かれ、別の作品では顔だけが描かれている。デュビュッフェへの親近性もうかがわれる。そうでありながら、表現方法はすでに独自のものを示している。
 吉田の作品を2012年の藍画廊の2人展とシロタ画廊のグループ展、シェル美術賞展でも見てきたが、すでにこの方法を確立していた。この先、どのように進化させるのだろうか。楽しみな作家が現れた。
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吉田絢乃展
2013年10月7日(月)−10月12日(土)
12:00−19:00(最終日17:00まで)
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ゆう画廊
東京都中央区銀座3-8-17 5階・6階
電話03-3561-1376
http://ywgarou.jimdo.com/
銀座松屋デパート裏2本目通り、コバヤシ画廊並び
地下鉄銀座線「銀座」駅A2出口より徒歩2分
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